ネトゲを長年やっていると、嫌でも目にするいざこざがある。
女である姫を中心とし、それに群がる男、いわゆるナイト達が織り成す”囲い”という恐ろしい仕組みだ。
これらのグループは、はたから見ている分には面白いのだが、一度かかわったが最後、本当に害でしかない。

この”囲い”というものは、男の「下心」から生まれるもので、女の武器である「性別」がそれをさせてしまう。
ただただ、女として存在するだけで、アホな男はその内面や言動にかかわらず、それだけで仲間になってくれるのだ。
そしてこの女という武器があまりにも強力ゆえに、ナイトとなった男の冷静な判断力を奪ってしまう。

 

私もこれには相当参ってしまった経験がある。

それは、私がギルド入隊希望の女性プレイヤーの加入を断ったことから起こった出来事だった。
断った理由は様々あったが、とにかくその人のことを知ろうとすればするほど、よろしくない話がホコリのように出てくる人物だった。

基本的に、去る者追わず来るもの拒まずの精神でやっている私でも、十分に断る材料が揃っていた。
もしこれを入れて何か問題になれば私の責任だ。そんな危険分子をわざわざ入れたくはなかった。

普通に、「ごめんね、また機会があれば」で終わる話だった。
しかし、そうは問屋がおろさなかった。

 

その女性プレイヤーには、従順なナイト達がたくさん存在し、立派に囲われていたのだ。
しかも、そのナイト達はなんとギルメンの中にも紛れ込んでおり、事態は一転した。

彼らとは同じギルドのメンバーとして、苦難を共に乗り越え、楽しく一緒にやってきた仲間だった。
大きな戦争や、小さないざこざ、ギルド間での揉め事にも一緒に立ち向かい、知恵を絞って試行錯誤してきた仲間だった。
たしかにそこには仲間として、男としての友情があったはずだった。

 

しかし、彼らは暴走してしまった。
それは何故か。
理由は一つ。
自分達の姫が傷つけられたから。

 

姫が誰かに傷つけられた。男がナイト化するにはこれだけで十分だった。
姫が悲しみに暮れながら「ギルド断られた・・・」といえば、全力で傷つけた敵に向かっていくのだ。
その時、ナイトはまず「なぜ姫は、傷つけられたのだろう」「なぜ、断れたのだろう」とは考えない。
善悪の判断はなく、「姫の敵は皆の敵」なのだ。

不運にも敵となってしまった私の元に、ナイト達が集結するのにそうは時間はかからなかった。
理由を説明してくれとVCに集まったはいいが、彼らは声を荒げて鼻息荒く喚き散らすばかりで、とても話し合いが出来る状況ではなかった。
私がいくら理由を説明しても、いやそれは違うそんなわけないそれはおかしいと口を揃えて姫を擁護し、喚き散らすのだった。

ひとたび女が絡むだけで、いつもは論理的な思考ができていた彼らも、冷静さを失い熱くなってしまう。
これが俗にいう、囲いの暴走である。

埒が明かないので、私サイドでその話を聞いていた一人のギルメン(男)がこう言い出した。
「一度その女性と話をしてみようか?」
これにはナイト達は大賛成だったみたいで、「話をしたらわかる」と大きく頷いていた。
私の加入を拒否するという決意は固く、このナイト達を見てさらに固いものになっていたので、「意味ないよそれ」と伝えたが、「まあ一応形式だけでも面談という形でやっておこうよ」という話になり、彼に任せることにした。

その次の日の話だ。
「うん、彼女は問題なさそう、いい子だったよ」彼はあっさりと私に言い放った。彼はわずか一日でナイトになっていた。
私は目を覆いながら、彼女は強烈な姫ちゃんであり、他の女性プレイヤーに敵意むき出しで暴言を吐くことや、ギルチャで別ゲーの誘いをしたりすることなど、彼にもすでに伝えている内容をもう一度、改めて伝えた。
「いやいや、そんな風には見えないよ、いい子だよ」・・・もう彼は完全に姫の手に落ちていた。
たった一度話をしただけで見事に籠絡され、彼は囲いの仕組みの中に取り込まれてしまったのだ。

そして彼は、他のナイト達と声を合わせて絶対にギルドに入れるべきだと唱え始めた。
それでも私は断固としてそれを拒んだので、ナイト達と私の間に強烈な亀裂が生じることになったのは言うまでもない。

その後、敵となった私のやり方にことごとく難癖を付けて、早々とナイト達はまとめてギルドを去っていった。
たしかにあった男と男の友情、そしてギルドへの愛着心は、「下心」と「女」によってできた囲いの暴走により、儚くもあっさりと散ってしまった。

 

この囲いの一番の問題点は、最終的に女であるというだけの武器が「男の善悪の判断」までも奪ってしまうことにある。
これが囲いの害悪性の本質だということを、理解しておくべきである。

 

では、これらの囲いは「下心」を制御できない男だけが悪いのだろうか?
私はそれだけが悪いとは思っていない。

囲いの中心にいる女、いわゆる姫ちゃんは大半がこの2タイプに分けられるだろう。
囲われていることを自覚しているタイプと、それに無自覚なタイプだ。

 

前者は典型的なクソ女であり、その囲われていることに優越感を感じ、自由自在に囲いを振り回し動かしていく。
自分がケンカを売られたり、気に入らないことや、受けつけないこと、それら様々なことに囲いを暴走させ攻撃に走らせるのだ。

これを囲う男はハッキリ言ってアホである。
女という魅惑に惑わされ、それに付き従う哀れな存在なのだ。
囲っている女に好かれたい、”あわよくば”に期待している、そんな「下心」全開の動機に目が眩んでしまい冷静な判断ができなくなってしまっているのである。

これの面白いところは、そんな「下心」によって囲われている姫ちゃんの存在である。
囲いの外にいる人からみれば「下心により支えられ、その地位にいる哀れな存在」という印象でしかなく、これはもはや”はだかの王様”ならぬ、”はだかの姫ちゃん”なのだ。
これによって、ナイト達が持つ「その女のイメージ」とはかけ離れてしまい、双方のギャップが生じ、私のような被害者が生まれることも珍しくないのだ。

そしてこの囲いは、囲いの中で起こるラブゲームの均衡が崩れたときに一瞬にして崩壊してしまう。
運命共同体であったナイト同士のいざこざがおき、ギスギスした空気のまま勝手に終焉を迎えるのである。

これは少し暴論かもしれないが、女がギルドマスターをやっているパターンはほぼこれに当てはまるのではないだろうか。
もちろん全てではないが、十中八九、囲いギルドであると私は思う。もちろん全てではない。

女という蜜に集まり、”あわよくば”を求めて、気に入られようとギルドのために精進する。
女が起こす問題はギルドの問題であり、ギルドの問題の為に善悪もつけずに敵を倒しに行く。
ギルドメンバーという名のナイト達を自由自在に統率し、それを自分の戦闘力だと大手を振る。
これこそが囲いの完成形であり、姫とナイトが織り成す究極の生き様なのかもしれない。

 

そして次は後者の、囲われていることに無自覚なパターンの囲いだ。
これが最も多い囲いの典型である。男たちは基本的に「女の良き仲間」である。
しかし、そこには必ず”えこひいき”と”下心”が存在し、見えない囲いができてしまっているのだ。

ひとたび女に問題が起こった時に、ナイト達は集結し、問題解決へと向け動き出す。
この時、なぜ問題は起こったのか、どちらに非があるのかといった話はなく、いかに相手を攻撃するか、どうやって彼女を守るかを考える。
そうして相手の言い分を排除して、これまた私のような被害者が生まれるというわけだ。

女が望む望まないにしろ、男の”えこひいき”を受け、このような囲いの暴走が起きる。
これは「下心」で動くアホな男が問題だが、女はその性別による影響力が理解できていない。
鉄壁に守られていることに、なかなか気づけないのだ。

気づいたところで、彼女から見れば味方についてくれる良き友人なのだ。
はねのけることはできないだろう。
そうして、どんどんと囲いは確かなものになっていき、姫ちゃんが爆誕するのである。

 

そうしたいざこざにならないよう、女性プレイヤーは男の”えこひいき”と上手く付き合っていかなければならない。
ゲームをする上で、女性という武器はとても強力で影響力がある。
上手く使えれば、それだけでゲームを有利に進めることができるかもしれない。
しかし、だからこそ、その武器と上手く向き合い、使い方を間違えないように注意すべきなのだ。

そして男も冷静にネットとリアルを区別するべきだ。
声を荒げて、鼻息を荒くして、自制心を失って、それがとても恥ずかしい行為だと自覚してほしい。
「女性に優しくする」たしかにそれは当たり前の行為だ。男の遺伝子がそうさせるだろう。

しかし、その先の結果だけを求めても、そんなにいいものではないと思う。
あくまでもネットの世界ということを、忘れてはならない。

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